ポートメッセ名古屋で10月4日、国土交通省中部地方整備局の音頭で「東海・東南海・南海地震対策中部圏戦略会議」が開催された。9月29日付のプレスリリース(ウェブサイト掲載)によると、かなり仰々しい体制で臨むようだ。「船頭多くして船…」になりそうな気配も。
それにしても、長野県勢はよく対応してくれたよなぁ~というのが感想。愛知・岐阜・三重・静岡は当然としても、長野県はほとんど支援側となって、「持ち出し」が相当あるのではないか。もちろん、飯田下伊那地域の天竜川沿いは被害予想が出ており、まったく無縁というわけではないことは知っているが、それでも、全体の比率から考えても、やっぱり割に合わない。これを縁に、名古屋圏とつながりを強くして、何らかの経済効果を期待したいということだろうか。
個人的には、長野県が加わってくれるのは大変ありがたいと思っている。行政の思惑とは関係なく、市民レベルの交流や支援を続けてきたのに加え、公的な動きが加われば、さらに強固な関係を築けるからだ。
これまで、NPO法人飯田ボランティア協会や長野県社協とともに、長野県各地の災害ボランティアセンターの立ち上げ訓練に出かけ、関係作りに努めてきた。飯田市、高森町、軽井沢町、御代田町など。平成18年7月豪雨(長野県岡谷市の支援)もしてきた。平成20年8月末豪雨(愛知県岡崎市の支援)をしていただいた。飯田ボランティア協会の面々とは、東日本大震災の支援で、一緒に仙台市へも行った。いざというときに頼りになる存在だ。また、三遠南信災害ボランティアネットワークでは、浜松-豊川-飯田を核にして、災害ボランティアの交流活動も盛んだ。
新潟県堺の北信地域では豪雪対応も必要だ。飯山市社協が主催する「雪堀とうど塾」(除雪ボランティア講習と地域交流)にも2年ほど参加した。ここ数年参加できていないのが残念。この冬は、久しぶりに参加できたら…と考えている。飯山市社協さんには、企画をよろしくお願いしたい。
災害リスクは内容や規模が違っても、損得勘定抜きで相互支援できる(したいと思える)ような関係作りが、まず必要だ。交流が深まると、相手のよいところ、自分にはないもの、残して欲しいもの…、そういったかけがえのないものが見えてくる。そして、それを守りたくなってくる。
安曇野、伊那谷の豊かな自然、文化は、失いたくない。相互支援・交流を理由にして、長野へ出かけるのが楽しみになっている。リタイヤしたら、長野へ移住しようかなどと半分本気でで考えている。でも、「信濃の国」は未だになじめない(笑)。
2011 年 10 月 5 日( 水 )23 時 59 分 |
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名古屋大学大学院の川崎准教授の研究結果が掲載されました。まずは、この時期に誰もが考えたくないM9.0の想定でシミュレーションを実施して公開したことに敬意を表したいと思います。
中央防災会議の専門調査会でさえ、「対策できない想定、被害予想は無視」して「減災」などと言い訳をしている情けない状況で、批判を恐れず公開に踏み切るのは、勇気がいることだったろうと思います。
地元の自主防災会向けの啓発では、これまでは、素人判断なので…と前置きしながら、東日本大震災の津波被害と比べて、3連動地震の被害を漠然とイメージしていました。仙台市南部から名取市、岩沼市、亘理町にかけての広大な平地を内陸4~5kmまで津波が押し寄せたことを引き合いに出して、もし、同じような津波が来たとしたら海岸から内陸へ4~5kmの範囲はここらあたりまでだから、あなたの地域は水没…といった調子です。
まったく根拠のない条件設定ですが、イメージを持ってもらうためには、乱暴であったとしても過大評価をした被害想定をして、備えを促す必要があると思ってやっていました。早く専門家の予想が出て、それを基にした話をすれば、もっと説得力が増すのに…と、今か今かと待ちわびていました。
中日新聞に掲載された色分け地図によると、私が住んでいる西三河南部は、オレンジ色で、最大浸水深5~6mと絶望的な結果が出ています。「やっぱりねぇ」というのが第一印象で、はっきりと引導を渡された気がしました。
上記のような根拠のない素人の話よりも、説得力のある啓発ができると思い、ほっとしました。自分が住む地域の悲惨な予想を突きつけられて喜ぶのも変な話ですが、半年のモヤモヤが取れてすっきりしたのは事実です。
残念ながら、色分け地図はこまか過ぎて、また、道路や鉄道、官公署などが記載されていないので、自分の町内は…といったレベルの判断は困難です。大雑把な判断をするために、地図サイトの画像キャプチャを透過表示させて重ねてみました。
この予想結果では、西尾市南部は壊滅的で、矢作古川の両岸に広がる低地にある西尾市役所、警察署、消防署、保健所、名鉄西尾駅あたりの中心街は浸水深2~3mとなっており、行政機能は失われることが想像できます。
この結果を見て覚悟を決め、自主防災活動に火がつくことを期待したいと思います。というか火をつけて回ります。備えたものだけが救われる。この地に「津波てんでんこ」を真剣に普及させねば。
2011 年 10 月 2 日( 日 )23 時 59 分 |
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9月5日の記事「秋の旅行はぜひ東北へ-9月4日の中日新聞サンデー版から」で、観光のお勧めをしたが、別の観点でも考えてみたい。「ものは考えよう」の第2弾だ。
小京都会議は、全国47箇所の加盟市町の集まりだ。日ごろは観光振興を目的に協力し合っていることと思うが、観光地ならではの防災の取り組みがあるだろうし、これらについても協力体制にあると思う。それぞれの地域に、「観光ボランティア」活動をする市民もたくさんいるだろう。小京都会議を通じて、これらの市民の連携を図ることもできるのではないか。
9月4日の記事「防災の日特集-9月2日の中日新聞から」で中央日本交流・連携サミットについて紹介した。行政の広域連携も必要だが、市民レベルでの連携も必要と感じている。小京都会議に限らず、このようなつながりを利用すれば、市民レベルで防災意識を高めていくことは可能だと思う。
広域連携は大切とわかっていても、防災だけのために新たなつながりを作るのは抵抗が大きい。なんらかの縁故関係や交流があるところへ防災を追加するほうが、うまくいくのではないか。ましてや市民不在の行政主導型では、活性化しないのではないか。
小京都会議の類似パターンで、どんなつながり方ができるか考えてみた。たとえば、日本三大○○、○○御三家、○○四天王とか。
Wikipediaで「名数」を検索すると、このようなつながりのテーマがたくさん掲載されている。いわゆる「日本三大○○」とかの事例集になっている。このようなつながりがそれぞれのテーマに防災のエッセンスを加えることで、あらゆる分野で防災を考えるようになり、取り組みやアイデア、着眼点も多様化してよいと思うのだが。これらが盛んになれば、何時でも何処でも誰でも何でも防災を考えるという防災文化が根付くのではないだろうか。
「日本三大一覧」「日本四大一覧」「日本五大一覧」…、ほかにもたくさんある。八十八箇所霊場つながり、奥の細道つながり、忠臣蔵サミットなどもきっかけになるのでは。
これらのつながり具合を、ソーシャルグラフのように地図上で可視化すれば、自分はどことつながりが強いのか、どこを支援したらよいのか、一目瞭然になると思うのだが。だれかGoogleアプリ作ってくれないかしらん。
こんなことを考えたのは、3月中旬に東日本大震災の支援先をどうしようか検討していたとき、自分がその地域を支援するのはなぜかという根拠が必要だと考えさせられたからだ。今年の流行語大賞の候補ではないかと思える言葉「絆」を強烈に意識させられたのだ。
災害救援や防災啓発の活動をする中で、いろいろな団体に所属し、そのうちの一部で代表を務め、他の団体と連携し…、さらに地元地域・家族・勤務先で…、いろいろな立場・状況で、支援をする理由・支援地を選択する根拠を問われ、関係者が納得できる説明をし理解を得なければならなかったからだ。
何のしがらみもなければ、このようなことは考えなかったかもしれないが、いろいろなしがらみの中で生きている以上、やはり、避けて通れないと思う。これは、自分に限らず、みな多かれ少なかれ、似たような問題を抱えていると思う。
日本のあらゆる人の集まりの中で、自分自身が、自分の地域が、どことどのようにつながっているかを意識して、好むと好まざるとにかかわらず、連携の中で生きていくことを考えていかねばならない時代なのかも知れない。
いざというときの優先順位、大事にしたいヒト・モノ・コト…。いつも意識していれば初動は早い。常日頃から覚悟を決めておく必要がある。
愛知県東海市は岩手県釜石市と「鉄の町つながり」がある。発災翌日の3月12日午前1時40分(発災10時間54分後)には支援物資を送るトラックを出発させている。
市民レベルも可能だ。山形県尾花沢市鶴子地区連合区会は仙台市宮城野区福住町町内会と災害時相互協力協定を結んでおり、15日には支援物資を届けている。行政の介入はない。市民レベルの自主協定だ。
次にすべきは、自分自身・自分の地域のつながり具合を把握し、強化していくこと。
2011 年 9 月 6 日( 火 )23 時 59 分 |
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