平成23年度西尾市総合防災訓練が10月9日、西尾市一色町地内で開催されました。昨年度に引き続き、応急手当の基礎訓練として三角巾の使用方法について講習を行いました。
市役所防災課は、参加した団体にアンケートの依頼をしてきました。昨年度まではこのような振り返りの取り組みはなかったので、「市民との協働」が少し前進したようで、うれしい傾向です。
せっかくの機会なので、昨年度までの分も含めて、いいたいことを思いっきり書きまくることにしました。回答用紙はA4用紙1枚なんですが、記入スペースが足りないので、勝手にWordファイルでA4用紙3枚にまとめ、さらに参考事例として、平成23年度岡崎市地域総合防災訓練の資料もつけて提出することにしました。
岡崎市の訓練計画書は、岡崎市のウェブサイトからダウンロードできますので、市民でなくても内容を把握できます。この訓練を取り上げたのは、同日同時間帯に市内の20の小学校区でいっせいに訓練をするという方法が、発災時の状況に似ていて、自分が考える訓練方法に比較的近い形だからです。市内各地でいっせいにやるというのがポイントです。
岡崎市の訓練を持ち上げるつもりはさらさらありません。突っ込みどころ満載です。いっせいにやるといっても、たかだか1時間という会場が12会場、3時間やる会場は1箇所だけです。各会場で実施される訓練項目もそれなりの数があって、相当な規模であることは推測できますが、地域住民がかかわらない項目もあるようです。
「防災防犯協会」というのが自主防災組織のようですが、訓練項目ごとの実施機関が、「防災防犯協会」「学区住民」と分かれているのは疑問です。自主防の役員だけでやる訓練ってなんなんでしょう。「婦人自主防災クラブ」「消防団」が多数参加する計画になっていますが、これらの人たちは、「防災防犯協会」や「学区住民」の一員ではないのでしょうか?別行動をするということでしょうか?そうだとしたら、各機関の役割分担や指揮系統はどうなるのでしょう?
岡崎市のウェブサイトの自主防災組織を紹介するページには、平成22年7月1日時点で、「町防災防犯協会」529団体、「婦人自主防災クラブ」29クラブ、「自衛消防隊」61団体とあり、訓練計画書にでてくる消防団は記載されていません。また、団体の数から判断すると、それぞれの団体は、町内単位または小学校区単位でひとつずつというようなバランスの取れた構成になっていないようです。
また、岡崎市のウェブサイトに掲載されている「自主防災(町防災防犯協会)活動マニュアル」によると、町防災防犯協会-学区防災防犯協会連合会-市防災防犯協会連合会の三階層の組織になっているようですが、それらの分担も訓練計画書からは読み取れません。
これらの疑問から、平成20年8月末豪雨での混乱ぶりは、このような複雑な組織・役割分担とそれらが周知徹底されていなかったことが原因だったのではないかと、勘ぐりたくなってきます。このあたりは、岡崎市民として地元の防災に取り組んでいる仲間で、かつ、当時の被災者に聞いてみたいと思います。
もちろん、西尾市は胸を張れる様な状況ではありません。「人の振り見て我が振り直せ」の典型です。西尾市総合防災訓練の反省のための考察が、岡崎市との比較、地域防災のあり方検討までひろがり、今後の西尾市の地域防災活動改善の方向が見えてきました。この先は、西尾市総合計画策定のための協働まちづくりプランナーの活動に反映していきたいと思います。
2011 年 10 月 24 日( 月 )23 時 00 分 |
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ポートメッセ名古屋で10月4日、国土交通省中部地方整備局の音頭で「東海・東南海・南海地震対策中部圏戦略会議」が開催された。9月29日付のプレスリリース(ウェブサイト掲載)によると、かなり仰々しい体制で臨むようだ。「船頭多くして船…」になりそうな気配も。
それにしても、長野県勢はよく対応してくれたよなぁ~というのが感想。愛知・岐阜・三重・静岡は当然としても、長野県はほとんど支援側となって、「持ち出し」が相当あるのではないか。もちろん、飯田下伊那地域の天竜川沿いは被害予想が出ており、まったく無縁というわけではないことは知っているが、それでも、全体の比率から考えても、やっぱり割に合わない。これを縁に、名古屋圏とつながりを強くして、何らかの経済効果を期待したいということだろうか。
個人的には、長野県が加わってくれるのは大変ありがたいと思っている。行政の思惑とは関係なく、市民レベルの交流や支援を続けてきたのに加え、公的な動きが加われば、さらに強固な関係を築けるからだ。
これまで、NPO法人飯田ボランティア協会や長野県社協とともに、長野県各地の災害ボランティアセンターの立ち上げ訓練に出かけ、関係作りに努めてきた。飯田市、高森町、軽井沢町、御代田町など。平成18年7月豪雨(長野県岡谷市の支援)もしてきた。平成20年8月末豪雨(愛知県岡崎市の支援)をしていただいた。飯田ボランティア協会の面々とは、東日本大震災の支援で、一緒に仙台市へも行った。いざというときに頼りになる存在だ。また、三遠南信災害ボランティアネットワークでは、浜松-豊川-飯田を核にして、災害ボランティアの交流活動も盛んだ。
新潟県堺の北信地域では豪雪対応も必要だ。飯山市社協が主催する「雪堀とうど塾」(除雪ボランティア講習と地域交流)にも2年ほど参加した。ここ数年参加できていないのが残念。この冬は、久しぶりに参加できたら…と考えている。飯山市社協さんには、企画をよろしくお願いしたい。
災害リスクは内容や規模が違っても、損得勘定抜きで相互支援できる(したいと思える)ような関係作りが、まず必要だ。交流が深まると、相手のよいところ、自分にはないもの、残して欲しいもの…、そういったかけがえのないものが見えてくる。そして、それを守りたくなってくる。
安曇野、伊那谷の豊かな自然、文化は、失いたくない。相互支援・交流を理由にして、長野へ出かけるのが楽しみになっている。リタイヤしたら、長野へ移住しようかなどと半分本気でで考えている。でも、「信濃の国」は未だになじめない(笑)。
2011 年 10 月 5 日( 水 )23 時 59 分 |
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平成23年度岡崎市地域総合防災訓練(9月4日実施予定)の計画書が市役所ホームページに掲載された。参考にしようと思い、さっそく内容を確認した。
すばらしい点。市内全域で一斉に取り組む計画になっていること。地域住民参加の会場が22箇所の小学校、ほかにも地域住民が参加しないものの各種団体が参加する会場が76箇所の小中学校となっていて、13,000人の参加が予定されている。
市役所の防災担当がしきる「総合防災訓練」は、どこの市町村でもやっているが、全市域を挙げての訓練というのは、まだまだ少ない。いざというというときの状況に、より近い設定の訓練と言える。
いざというときは、全市域が被災するので、訓練と割り切って特定の(一部の)地域だけで、一部の対象者だけで対応するのとはまったく違う状況になる。1箇所の訓練会場で全体が見渡せる状況にはない。そのような状況でどのように訓練の状況を把握し、想定した訓練をこなすのか。発災時に市内各地の状況を把握整理しながら対策を進めるのに近い作業をやることになると思う。
残念な点。住民が参加するといっても、それぞれの会場の訓練時間はたったの1時間。これだけの時間ではたいした訓練はこなせない。発災直後の初動対応のみに割り切った訓練ということなら理解できるが。一部の学区は2・3時間かけて実施するところもあるようだが、この差は何なのだろう?
ボランティア団体、市民活動団体が多数参加しているが、彼らは、いざというときも地元地域を後回しにして、市内全体のために活動するつもりなのだろうか?そのための覚悟をしたうえでの参加なのだろうか。不明である。
あれこれ指摘しているが、これだけの規模で、市内全域を会場としていっせいに訓練をするのは容易なことではない。この計画を打ち出した岡崎市の担当部署および承認をした議会に敬意を表する。
願わくは、台風12号が訓練を中止させないことを祈る。訓練ではない本番の対応が必要とならないことを祈る。平成20年8月末豪雨の記憶が過ぎる。台風が岡崎市を通過するのは訓練前日の3日の見込み(日本気象協会1日15時発表の予報を参照)。
もし、発災して災害ボラセンが立ち上がっても、出動するのは厳しい状況だ。次の週末の10日が啓発イベント、11日がわが地元の訓練のため、12日まで3日連続有休を取得しており、調整が難しい。
2011 年 8 月 31 日( 水 )23 時 59 分 |
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