石巻市谷川漁港沖でホヤ養殖いかだ設置開始

 宮城県石巻市の牡鹿半島にある谷川漁港沖でホヤの養殖いかだを設置する作業が始まったようです。9月15日の読売新聞に掲載されていました。

 8月6日の記事「被災地復興支援業務出張1」で紹介したように勤務先の被災地支援業務として谷川漁協のホヤ養殖漁具の準備支援をしました。8月に現地を訪れたときは、9月に養殖を開始したいから急いで準備しないと…とおっしゃっていて、作業に追われている状況でした。果たしてどれだけ役に立てたか、養殖開始に間に合ったのか、ずっと気にかかっていましたが、どうやら、いかだの数が少ないながらも設置作業が開始したようで、ホッとしました。

 次は、出荷開始のニュースを待ちたいと思います。現地を訪問する機会ができたら、鮫浦湾にたくさんのいかだが浮かんでいる様子を見てきたいと思います。11月に仙台市を訪問する予定があるので、足を伸ばしてみるのもよいかもしれません。

広域連携のモチベーション

 9月5日の記事「秋の旅行はぜひ東北へ-9月4日の中日新聞サンデー版から」で、観光のお勧めをしたが、別の観点でも考えてみたい。「ものは考えよう」の第2弾だ。

 小京都会議は、全国47箇所の加盟市町の集まりだ。日ごろは観光振興を目的に協力し合っていることと思うが、観光地ならではの防災の取り組みがあるだろうし、これらについても協力体制にあると思う。それぞれの地域に、「観光ボランティア」活動をする市民もたくさんいるだろう。小京都会議を通じて、これらの市民の連携を図ることもできるのではないか。

 9月4日の記事「防災の日特集-9月2日の中日新聞から」で中央日本交流・連携サミットについて紹介した。行政の広域連携も必要だが、市民レベルでの連携も必要と感じている。小京都会議に限らず、このようなつながりを利用すれば、市民レベルで防災意識を高めていくことは可能だと思う。

 広域連携は大切とわかっていても、防災だけのために新たなつながりを作るのは抵抗が大きい。なんらかの縁故関係や交流があるところへ防災を追加するほうが、うまくいくのではないか。ましてや市民不在の行政主導型では、活性化しないのではないか。

 小京都会議の類似パターンで、どんなつながり方ができるか考えてみた。たとえば、日本三大○○、○○御三家、○○四天王とか。

 Wikipediaで「名数」を検索すると、このようなつながりのテーマがたくさん掲載されている。いわゆる「日本三大○○」とかの事例集になっている。このようなつながりがそれぞれのテーマに防災のエッセンスを加えることで、あらゆる分野で防災を考えるようになり、取り組みやアイデア、着眼点も多様化してよいと思うのだが。これらが盛んになれば、何時でも何処でも誰でも何でも防災を考えるという防災文化が根付くのではないだろうか。

 「日本三大一覧」「日本四大一覧」「日本五大一覧」…、ほかにもたくさんある。八十八箇所霊場つながり、奥の細道つながり、忠臣蔵サミットなどもきっかけになるのでは。

 これらのつながり具合を、ソーシャルグラフのように地図上で可視化すれば、自分はどことつながりが強いのか、どこを支援したらよいのか、一目瞭然になると思うのだが。だれかGoogleアプリ作ってくれないかしらん。

 こんなことを考えたのは、3月中旬に東日本大震災の支援先をどうしようか検討していたとき、自分がその地域を支援するのはなぜかという根拠が必要だと考えさせられたからだ。今年の流行語大賞の候補ではないかと思える言葉「絆」を強烈に意識させられたのだ。

 災害救援や防災啓発の活動をする中で、いろいろな団体に所属し、そのうちの一部で代表を務め、他の団体と連携し…、さらに地元地域・家族・勤務先で…、いろいろな立場・状況で、支援をする理由・支援地を選択する根拠を問われ、関係者が納得できる説明をし理解を得なければならなかったからだ。

 何のしがらみもなければ、このようなことは考えなかったかもしれないが、いろいろなしがらみの中で生きている以上、やはり、避けて通れないと思う。これは、自分に限らず、みな多かれ少なかれ、似たような問題を抱えていると思う。

 日本のあらゆる人の集まりの中で、自分自身が、自分の地域が、どことどのようにつながっているかを意識して、好むと好まざるとにかかわらず、連携の中で生きていくことを考えていかねばならない時代なのかも知れない。

 いざというときの優先順位、大事にしたいヒト・モノ・コト…。いつも意識していれば初動は早い。常日頃から覚悟を決めておく必要がある。

 愛知県東海市は岩手県釜石市と「鉄の町つながり」がある。発災翌日の3月12日午前1時40分(発災10時間54分後)には支援物資を送るトラックを出発させている。

 市民レベルも可能だ。山形県尾花沢市鶴子地区連合区会は仙台市宮城野区福住町町内会と災害時相互協力協定を結んでおり、15日には支援物資を届けている。行政の介入はない。市民レベルの自主協定だ。

 次にすべきは、自分自身・自分の地域のつながり具合を把握し、強化していくこと。

秋の旅行はぜひ東北へ-9月4日の中日新聞サンデー版から

 中日新聞9月4日朝刊のサンデー版は「日本の小京都 全国小京都会議」を特集していた。東日本大震災の復旧が進まず、何とかならんのかと思ってイライラ感がたまってきたこの時期に、なんとものんきな…とも思ったが、ものは考えようだ。

 小京都を名乗るところはたくさんあるが、全国小京都会議に加盟しているところは47箇所。その中には被災した東北地方の小京都もある。新聞は岩手県遠野市観光協会、宮城県大崎市観光交流課のコメントを掲載している。

 旅行好きな人、京都好きな人は、ぜひ、東北の小京都へ足を運び、その経験をブログでも何でも周りへどんどん発信していただきたい。話題に上がることで、日本中が忘れることなく意識し続けることができる。

 8月初旬に被災地復興支援活動で石巻市の支援に出かけたが、そのときに宿泊した仙台市内のビジネスホテルには、観光パンフレットがたくさんおいてあった。松島観光はすでに再開している。遊覧船に乗って沖から岸を眺め、津波が押し寄せたときのことを想像するのもよいのではないか。

 発災直後の自粛ムードから、日常の消費行動を通じた支援の模索へと変わり、そしてそれらが定着しつつあることを感じる。直後は義援金を送ったり現地支援活動に入ったりして、緊急対応的・非日常的な活動をしてきたが、正直なところ息切れがしてきたのではないだろうか。

 あらゆる業界が自分たちの得意分野でアイデアを出し、支援側も毎日の生活の中で、少しずつ継続的にできる方法へシフトし始めた気がする。旅行で現地を訪れるのは、観光地にとって最もうれしい支援、復興を感じられる支援ではないのかと思う。まだまだ復興は程遠い地域もあるが、かといって、足並みそろえて復興していくのも不可能だ。できるところからでよいのではないか。

 ボランティア活動と旅行を兼ねた企画もあちこちで見かけるようになった。旅行代理店のパンフレット棚を探すときは、ぜひ、東北優先でお願いしたい。

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